H

 

「寶」の終盤戦頃であった

私が事務所にいた時、駐車場をお世話してくれないかと飛び込んで来た

私は仕事どころでは無い

私は町内のお宮さんの駐車場を教えて、町内会長に電話だけ入れ、今忙しくて契約書その

他、関わっておれない旨、伝えて丁重にお引取り願った

彼は駐車場を教えて一円もいらないと言う、私に非常に興味をもったらしい

それから半年か一年後か記憶ははっきりしないが、氷見の海岸線に売りに出ている他店の

物件を私に折衝して欲しいと、再び訪れた

その頃は「寶」解明を終え、印刷屋さんに任せていた頃である

そうそう我が家の家系図を作っていた郷土史家の川渕先生と知り合ったのもその頃である

少し動き出し始めた頃である

そして一発で契約なった

「寶」に没入していても、闇の情報には敏感であった

持ち主の苦しい楽屋裏を知っていた

だから、H氏の目の前で電話交渉し、1450万円の物件を400万円値切り即成立した

それから今日までH氏と長い付き合いが始まった

彼は奥さんの郷里である氷見に埼玉県から来たのである

平成191130