翁との別れ
高齢で病に伏せっておられた
「寶」本が完成した時、一度だけ病に伏せっておられる翁を見舞った
その時も眠っておいでて、一言も会話を交わす事が出来なかった
それ以後、気にしつつも、お見舞いすら行ける状況でなかった
ただ、娘さんに何かあったら、電話を入れてくださいと、其の事だけは伝えてあった
私は寝食を削り、時間との壮絶な戦いをしていたのであった
更に家族の問題で地獄を這い、金銭面、その他二重三重の苦悩が覆いかぶさっていた
・・・・・・・・・・・・・・・・・
そして娘さんからお電話があった
翁の家は親戚が大変少なかった
町内の人が数人お手伝いに来た程度であった
駆けつけた私は翌日と記憶しているが、1日だけ葬儀のお手伝いをすることに決めた
市内のお寺で密やかに営まれた
棺に「寶」本と愛知万博推進局長の手紙のコピーを添えた
それが博史、翁への私の献花であった
翁に「寶」を世に送り出す事を誓った
平成19年11月24日