隣の牛乳屋さん

 

先代社長は長く女社長であった

私は林のばあちゃんと呼んでいた

人の悪口など言ったことを聞いた事が無いお人柄であった

やさしい、おばあちゃんであった

牛乳配達は新聞同様朝が早い

配達員が来る前に仕事の段取りをつけておかねばならない

事務所の二階で書いていたか、一階でコピーをしていた頃であろう

兎に角、私に、「おっさん、寝ているがか?」と日をおいて3度、言った

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私の体を気遣っての言葉であった

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数年も経たず、おばあちゃんは亡くなられた

そして東平蔵が後を継いだ

その東平蔵も私に「寝とるがか?」と3度、言った

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平蔵は昔4時にピタリと来ていた

早い配達員は2時半に来ていた

北日本新聞は3時ピタリであった

私は二人のそんな言葉すら耳に入らない程、壮絶な日々であった

そんな東平蔵に私は「遅い」と何度も言った

その頃寝るのは夜中の〇時頃である

それでも昼寝など無しである

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ナポレオンの歳月であった

平成19119