骨董屋準備
準備に取り掛かって、1ケ月以上が経とうとしている
参った
蔵の中には、1000点以上はあるだろう
ガラクタばかりである
参った
亡き石川県松任に住んでいた兄貴が老後に氷見に来て骨董品屋をしようと、何でもかんで
も蔵に詰め込んだのである
しかも、埃(ほこり)も払わず兎に角詰め込んだのである
蔵の二階、一階、そして縁の下まで満杯である
呉服屋であった店を片付け、承禎の事務所から棚を3ツ運び、二階からも棚を降ろし陳列
棚を作り、まず蔵の二階の品を店まで運ぶ
ユウコや亮の弟も呼んで、人海戦術である
極力お金をかけたくない
それでも、照明の電気工事と大工さんに棚を作ってもらい、何とか展示できるようにした
絵画を飾るのに壁に何か所も釘を打つ
展示する壺、飾り皿、絵、掛け軸、盆石、茶道具、その他を頭の中に描きながら運び込む
お金を懸けず、ガラクタも、飾る位置、飾り方で、ランクアップする
承禎はそれが楽しい
開業をゴンゴン祭りに目標を置いている
ゴミ袋も50以上、大量に出た
参った
胴元の違う骨董市に3回参加し、何十点も処分した
スペースが必要なカサの喰う大きい品物は骨董市で、処分する
まさに新規開業で有る
そうそう、何点か氷見市トト座かどこかに寄付の予定で有る
お金儲けでは無い
基本的に処分で有る
それでも収益があれば、いずれ義姉に差し上げる
承禎の労力はタダ
それにしても亡き兄貴の根性には参った
あと10日あれば、どうにか開店できるところまで来た
先祖伝来の兜・刀,大刀・小刀・脇差・槍・ナギナタ・袖カラミ・は警察に登録して
長い付き合いの業者に売り払った
心の中で、申し訳ないと祖父・父・兄に謝った
みな偉かった
氷見市の高木家の血筋は亮に託した
事実上の氷見市の高木家の幕引き役は承禎である
全ては天命宿命で致し方ない
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連綿として高木家の意思と功績はすべて「寶」となって日本史いや世界史に刻まれるであ
ろう
あの世に行っても先祖に堂々と胸張れる