キ〇キト舎




最初の「寶」本は一度に出来上がったものでは無い

4版を重ねたのである

その基本設計とも言える第一回目の小誌の頃、よく訪れたお店である

訪れたと言うより、お店の一番奥のコーナーでジャズを聴きながら「寶」解明と執筆に勤し

んでいたのである

事務所からは歩いて10分程度である

事務所二階で疲れると夜の11時頃から2時の閉店まで毎日と言っていいくらい浸かって

いた

行き帰りの夜空を仰いで、どれほど星や月に祈ったか分からない

「寶」は中国5000年の神秘の秘宝である

しかも印面には中国道教の神髄、易と五行思想その太上に輝く太極の神秘が天隠されてい

太極の神秘の扉は厳重で、断崖絶壁を乗り越えるような、高く厚い壁が何重にも張りめぐ

らされてあった、

気の遠くなる、果てしない戦いであった

頭がおかしくならなかったのが不思議な位である

1300年の彼方より放たれた白羽の矢が1億人の標的の中から私目がけて飛んできたの

である

欲の深い馬鹿でアホ、そして千里ブロックの土方で鍛えた体力の持ち主、無知の男にお鉢

が回ってきた

いずれにしても、氷見にジャズ喫茶があって助かった

ジャズはレコード盤一枚も持たない、そして曲名すら知らない、それでもジャズとは相性

がいいのである

チビリ、チビリとアルコールを舐めながら、深遠な思考の宇宙へ漕ぎ出していた

今でも鮮明に記憶している。

第一回目の小誌の印刷が平成9年1月5日である

であるから平成8年12月31日の大晦日、小誌が刷り上りこのキトキト舎に飛び込んだ

時は初詣の人が行き交っていた

家へ帰って深い深い眠りについた

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私に取って思い出深いお店なのである

それから既に10年が経つ

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平成19822