新築4畳間
新築なった一階の一番後ろに4畳の部屋が私の書斎兼寝室であった
別れた妻は隣室の4畳のクローゼット付き、8畳の寝室である
その私の4畳からトイレと裏口が直ぐ隣り合わせであった
だから、家の者に気付かれず、真夜中でも裏口から出入りできる
これだけは有り難かった!
当時部屋の入り口に獅子窟庵と高札を掛けていた
文字通り、「寶」解明の獅子窟であった
「寶」解明に行き詰まった時、深夜、裏口からそっと抜け出て、深呼吸する
そして家の前の河沿いを散歩する
そして夜空を仰ぎ自問自答する
その4畳の間で、歴史の第六章、最後の難関「則天武后」と戦っていたのである
稀代の妖怪「則天武后」である、私は4畳の間で、のたうちまわっていたのである
今は家を他人に貸してローンを助けている
私に取って新築の家は抜け殻、その4畳間だけが「寶」の思い出なのである
平成19年7月29日