五月歌40

五月なのに新聞の死亡欄の数が多い

ドンドンこの世をオサラバしている

ひきかえ94歳の母式部は強い

感心する

杖をついて、トイレにも一人で行く

天気が良いと中庭の草をむしっている

豆日記を一日に何回も書き記している

勿論毎日朝夕お経を欠かさない

夕方シャッターを一人で閉めて、私に電話で報告する

病院にも電話をかけて迎えに来てほしいと騒ぐ

私が老いても絶対勝てない

驚嘆に値する

強い分、木の枝がポキリと折れそのまま逝きそうである

今年の夏は越すか

充分働き、人より充分生きたから、式部も悔いはないだろう

マア生きられるまで生きておればよい

その内お迎えがくるだろう

十分とは言えないが、明日死んでも、私にそんなに大きな後悔は無い


平成24523