○○大学名誉教授殿に

前略

先般来氷された時、館長が指摘された『寶』と『玄宗皇帝』との結びつきが、学者から

一般の人にも明らかに分かるようなズバリ直結した解答が欲しいと云われました。

その質問に答えないまま、雑談と食事に座が移行してしまいました。

マア一般の人が分かるような明快かつ直結する答えを求められても、正直それは困難な

要求であります。

専門の大学教授ですら愚生の寶本に難渋する有様です。

同封、中国の劉博士の書状は一部本音でもあります。

正直「寶」解明には、中国文明の壮大かつ深遠な思想哲学、史実その他を総ざらいしな

ければなりません。

神器・太極『寶』解明に要する分野は余りにも多岐にわたります。

しかも、キリスト文明・イスラム文明よりも不可解かつ難解な「易」哲理に踏み込まねば

なりません。

しかしながら歴史の最後の扉の鍵をお渡しした大兄には完全に得心して戴けねばなりま

せん!!!

約21年を費やした、漢文化の歴史を覆す世紀の神器・太極「寶」です。

伊藤先生から投げかけられた★@印面外枠幅の時代疑問★唐白磁の窯場の二問の質問に

即答したと同様、大兄にも文書にて明確に答えておかねばなりません。

愚生として、今後を見据えるに、どんな些細な疑問・質問も見逃す事も、曖昧にするこ

とも、逃げ出す事も出来ません。

それでは、玄宗皇帝が「寶」を制作したとの明快な解答を引き出す前に、「寶」が唐代玄

宗皇帝時代の焼き物であるという前提条件を先に確認して戴けねば、道理が成立しませ

ん。

それでは「寶」が唐代玄宗皇帝の時代である史実の傍証を列記致します。

 

★@玄宗皇帝の聖文の尊号、★A神器奉納と奪われた杜甫の漢詩2題、★B印台度量衡か

ら割り出した唐代の寸法★C正倉院獅子の頭数と類似獅子★D史思明の発行銅銭の寶秘文

★E皇帝の「璽」印の呼称を「寶」とした唐代、★F年号「太極」と「天寶」★G陰陽五

行思想の唐代隆盛、★H司馬承禎。陶印正一の法伝授さる★I唐代白磁の特徴と酷似★J

開元元年の明器の届け制の勅令、★K唐代白磁の驚異的生産量と超硬度技術、★○唐代以

前と以後の劇的印譜の変化★神器奉納の壮大な伽藍「玄元皇帝宮」の創建

★その他等々

 

以上有り余る史実の傍証が、「寶」の存在時代が唐代玄宗の時代である事を指し示してお

ります。

21年を費やした、漢文化の歴史を覆す世紀の神器「寶」です。

それでは一般の人にも分かるようにズバリお答えします。

この印台47×70×70mmの方形の陶磁器、しかも空洞無く、上下四方1mmの誤

差がありません。(寸法をノギスで確認)

このような陶磁器は焼成不可能で、館長もお認めの通り現在の所、地球上に1点も確認

されておりません。

その事は★@蓑豊館長も文兆堂西田社長・お二人とも焼成不可能と断言されました。

更に、★A中国故宮博物院もその様な陶磁器が存在する訳が無い!!!であるから自然

石と公文書にて正式回答して参りました。

★1〜★13全ての史実の傍証が玄宗皇帝時代です。

焼成に何十年、延べ人員何百何千万人動員されたと想像される驚愕の陶磁器です。

このような人類史上未曾有の陶磁器が一名工・一王侯貴族が制作する事はあらゆる観点

から殆ど不可能です。

中華帝国の絶大な権力者!!!即ち「玄宗皇帝」!!!その人しか、おりません。

祖母則天武后・父睿宗の可能性は寶本で検証済であります。

更に王侯貴族の可能性を問われるなら?!開元元年唐朝は勅令を発し全国の王侯貴族に

明器の制作を全て届け制にしております。

即ち神器・太極「寶」製作の為、全土の陶工を招集し王侯貴族の直接の陶磁器制作を禁

じたのであります。

結論として申し述べるなら、一般の人に「寶」と玄宗皇帝の直結の証拠・物証を簡潔・

明快に即答するにはまず★T〜13の前提条件を理解してもらわなければ、そこに至り

ません。

それは小学生レベルの愚生に“電気”とは何かと一言で述べよと云っているに等しく、

不可能であります。

上記以外、敢えて傲慢かつオカルト的に回答するなら、バブル崩壊・リーマンショック・

重大殺人事件を幾つも透視、喝破した司馬承禎の生まれ変わり平成承禎が断言している

と説明するしかありません!!!!オホン

いずれにしても陰陽五行思想研究において日本を代表する学習院女史の吉野裕子博士が

私の将来を案じて「高木さん!私の本の読者は全国で約2500人です」と電話で話さ

れました。

また私の師である黒川総三先生は、吉野博士に「一点の非のうつところ無く」と書状を

認められ、さらに『寶』の著書を評して「理解出来る人は富山県で10人いるか?!の

世界」と漏らされました!

富山県で10人の世界なら、50都道府県とするなら全国で500人の世界です。

劉博士ですら数か月を費やし理解するのに難渋されての返書です。

また『寶』史実の是非を問う4550名の歴史四学会への度重なる配達証明付きの公開

質問状に四学会は完全沈黙であります。

学会の完全沈黙こそが、『寶』が唐代であり唐朝(玄宗皇帝)の神器であることを明確に

物語っております。

歴史学会から要請があれば如何なる公開の席でも受けて立つ所存です!!!

以上身を弁えぬ言動、平にご容赦願います。

なにわともあれ、取り急ぎお送りいたします。

雪降る空を仰いで春の訪れを、暖を抱えて待ちわびております。

平成24223