@ 震災東北へ
A氏の身もとを引き受け、事務所の二階で泊めているが、彼の実際の素性を証明するものは
何も無い
運転免許証も健康保険証書も津波で流され何も無いと云う
それでも良い
現時点、彼の話す言葉を信じるしか無い
彼の話に実がある
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体格は大柄で顔は即ヤクザに間違われる程である
普通の人間の大半は、言葉の親切だけで、身を引くだろう
彼の全身に、海の男の雰囲気がある
昔、背中に入れ墨をしていたと云う
子供が生まれて入れ墨を消したと云う
人は信じるしか無い
自分の生きて来た人生の鑑識眼が問われる
泊めて一週間程して仙台の整理に行くと云う
そして私に同道して欲しいと云う
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分かった
事務員に銀行から60万円を引き出させた
彼に50万渡し、10万は私が所持し、仙台を目指す
いざ!!!!!!!!!!!!
行くぞ
!!!!!!!!!!!!!!