★★★
タクシー日記より
『ヘッドライト人間模様』福井正道
図書館の廃本である
文章がしなやかで素晴らしい
しかも作者は高卒である
私も高卒嬉しい限りである
こんな文章が書ければと思うが無理である
タクシー会社をつとめながら、お客との対話を書いておられる
問題意識、観察力が素晴らしい
自分のこのHPを考えると恥ずかしい限りである
マアでも私にはある意味、商売用の宣伝行為であり、今となっては気晴らしである、
自分の脳ミソの限界と、恥の山を積み上げている様なものである
それにしても、スイスイ読める、楽しくも、ほろ苦くもある短篇集である
都会の雑踏、タクシーの乗客とのつかの間の会話集である
人と人のクロス・ゾーン
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人それぞれに人生がある
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中でも最初の「春の嵐」が一番よかった
常連客の社長が、飲み屋のママに酔ったら何時も決まって息子の自慢話をする
社長の息子は学者で海外に住んでいると云う
その日も、タクシーの中で自慢の息子の話をママに語る
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ところが、社長の息子は六歳の時、病気で亡くなっている
願望した架空の息子を、酔って自慢するのである
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歌謡曲「野風僧」の世界である
男親の何とも言えぬ哀歓である
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言葉は無い
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平成22年5月11日