六月の歌
兄が亡くなって、既に五年、義理の姉雅子様は石川県白山市から、車を飛ばして姑である
式部を見舞ってくれる
式部の身の周りの整理と部屋の掃除、仏壇神棚に花を添えに来る
そして、仏壇に手を合わせ式部と一緒にお経を唱える
世間広しといえど、雅子さんのような方は希の希であろう
しかも、最早私が式部の介護費用に残りのお金を使い果たし、一円もお金が無い事を伝え
てある
勿論土地建物もである
それでも、見舞いに来られるのである
約40年前、姑式部と折り合い悪く、娘二人を連れ兄と着の身着のままで家を出た
二人で頑張って、松任市で家を建てた
財産は殆んど貰っていない
聞いているのは家を建てたあと何百万か貰っただけである
全く割の合わない兄嫁であった
残された財産は50年経った古家でしかも借地である
10年近く地代を払い、しかも解体費が200万はかかる
申し訳ない気持ちで一杯である
雅子さんの二人娘夫婦も孫を連れ揃って墓掃除に来てくれる
只只感謝で、言葉も無い
写真は昨日撮ったものである
今時、このような女性は特別天然記念物の様なお方である
今は亡くなられたが、ご両親は満州からの引き上げで、温厚な素晴らしいお二人であった
それは、今でも私の脳裏に焼き付いている
もし「寶」が世に出れば、色々してあげたい事が山ほどある
ただただ感謝の気持ちで一杯である
平成22年6月7日