肩たたきと足踏み
そうそう思い出した
祖父には肩たたきであった
よく、おばあちゃん子は昔から問題児が多いと言われる
私は逆の祖父子であった。
私は、よく祖父の肩を叩いたのである
祖父は夏の時期以外、殆んど綿入れの着物を着ていた
その祖父の肩叩きをした思い出がある
数を数えながら叩いた
父親には、足踏みであった
父親は一度行商にゆくと一ケ月程、帰らない
下駄の歯が無くなる程、歩くのである
どれ程歩いたのか分からない
帰ってくると、時々私は足踏みをしてあげた
寝そべった父親の足踏みである
うまくバランスが取れないので、床の間の柱に?まって足踏みである
思い出したら足の裏の固かった感触が、蘇って来た
固いあの足の裏で、不自由なく育ったと思うと懐かしさで一杯になる
なんでも思い出すものである
平成22年3月17日