バリカン
そうそう、昨日、居酒屋のこころで、色々話していたら、昔のバリカンの話しが
飛び出た
そうであった
祖父の頭を数年間、バリカンで刈ていた
バリカンは手動である
家の手伝いで、手の握力は普通のものより、強かった筈であるが、手の指が短く、
初めのころ上手く出来なかった
祖父は相当な禿で側面部だけであった
それでも、確実に普通の人より一回り大きな頭であった
鏡を見ながら自分で刈っていたが、どうしても届かないところがある
その時よく手伝った
時々失敗して毛を挟むことがあった
痛いのである
それ以前、祖父は新聞紙を広げ私の頭を刈っていた
挟んだ時の痛さは知っていた
だから、丁寧に刈った
何でも思い出すものである
今思うに、祖父は物静かな教養人であった
祖父の大きな頭の中の、極々小さいカケラが私の脳ミソにあるのであろう
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平成22年2月12日