刀と祖父
湊川の橋の袂角の時の写真には床の間に大刀と小刀を後ろに並べかけた写真が残っている
が、小学校前の写真で私は記憶に無い
しかし衣料店の家に移ってからは、仏壇の横に刀が立てかけてあった
時々、その刀を出して打ち粉で手入れをしていた
祖父は殆んど無駄口を叩かない人であった
貧乏をして町に出てきたせいか、一切それ以前のことなどを、私に話さなかった
それでも、刀を打粉で打って手入れをしたあと、しばし刀を眺める姿は、子供心に格好が
良かった
父親も祖父が亡くなったあと、その刀を良く手入れをしていた
正確には我が家は高木家の分家である
本家が絶えて分家である祖父が本家となった
その刀は本家代々引き継がれてきた刀であった
色々な経緯を祖父は何も語らなかった
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後、父親は氷見市刀剣協会の役員もした
私は、富山県刀剣協会の荒瀬会長に誘われ一時入会していたが、1年程で自然脱会した
高木家の血であろう