祖父と読書
祖父は時々本を広げていた
居間の壁に分厚い本が、何十冊か並んでいた
父親も、行商から帰ってきたら、時たま寝そべって本を広げていた
しかし私に本を読めとは一言も言わなかった
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勿論、勉強しろとも一言も言わなかった
不思議である
言ったのは、父親が一言「いい加減に漫画を卒業しな」と言っただけである
それ以前、父親にヤマタノオロチ、義経の八艘飛び、那須与一扇の的などを聞かせてもら
っていた
そして次第に江戸川乱歩の「怪人二十面相」に凝っていた
祖父の影響もあって「岩窟王」「宝島」なども読んだ覚えがある
本は嫌いでなかったが、やはり汗を掻く外の遊びの方が断然おもしろかった
今日こん日まで、確実に5000冊以上は読んでいる
私が何とか人と対等に話しあえるのは読書のお陰である
全て祖父と父の影響である
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平成22年1月5日