浪曲と講談
子供の頃はテレビなど無くラジオであった
そのラジオを祖父は時々、いや多分決まった時間にスイッチを入れていた
私はコタツの布団を首まで引き寄せ、そして祖父の膝の上に座って、ラジオを一緒に聞く
のである
祖父が好きなのは浪曲と講談であった
そのなかで良く覚えているのは、独特の名調子、廣澤寅造の浪曲であった
その寅造の浪曲で今も覚えているのは、何と言っても「遠州森の石松」・清水の次郎長伝で
ある
“旅ゆけば〜駿河の国に〜茶の香り〜”
今でも耳元に残っており、時々唸る時がある
「酒呑みねえーー寿司喰いねえ〜!」
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何時だったか、図書館でそのカセットを借りてきたことがある
講談は忘れたが
名前は「一柳斉○○」・・・忘れた
とにかく、よく聞いた
そうそう落語も聞いた
だから今でも、早朝のNHKに講談や浪曲が入っていると、しばらく聞いているのである
なかなかいいものである
女性の講談で「岸壁の母」など入ると、一人でポロポロ涙を流して聞いている
いつだったか新作の「残留孤児」の講談を聞きながら、泣いて余りに涙がでるので、部屋
に誰かが入ってこないか、鍵を確かめる程である
しかし私は思うのである“キレイな涙は心を洗う”だから誰もいない時思いっきり涙を流
すのである
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平成22年1月3日