カマドの米焚き

 

間違いなく幼稚園の頃である

なぜなら、現在の事務所の一軒置いて隣の角家の時代である

引越し前の家である

家の中の通路に、土で型どった竈(かまど)があった

竈に据えられたご飯釜の下に、薪をクベ、火を熾し、ご飯を炊くのである

最初は小さな新聞紙をネジって入れる、その新聞紙にマッチで火を点け、小さな薪に寄せ

る、そして火吹き竹でフーフー吹いて小さな薪に転火し、火勢をつける

大きな薪に火が移るまで、火吹きだけをフーフー吹く

そうそう、両側の頬っぺたのエクボ辺りが痛くなる程吹いていた。

頬っぺたの感触が蘇って来た

「初めチョロチョロ、中パッパ」そんな言葉を思い出した

昔のカマで重い木の蓋から、勢いよく蒸気が噴出していた

蓋に触ったらダメと良く云われた

何々があっても蓋とるな、諺があったが忘れた

そうそう記憶を辿るが、兄も姉も妹もしなかった?!

記憶に無い

竈の中の薪が赤く燃えている様子が、目に浮かんで来た

私が覚えている家事手伝いの第一号である

何年に一度焚き火などをすると、薪が燃えて赤々とした火を見ると妙に懐かしさを覚える

そんな子供の頃の思い出が、潜在意識を呼び覚ますからであろう

おぼろげな子供の頃の家事手伝いである

                            平成22124