紙縒り(こより)と祖父
祖父は紙縒り(こより)を作るのが上手かった
その紙縒りを七夕の短冊に通し結ぶのであった
私が何度作っても祖父のようにはゆかない
祖父の紙縒りは細くて、先端が針のように鋭利で、そしてピィーンと芯が通っている
何十本作っても、同じなのである
だから千枚通しで開けた穴に簡単に通せた
私の紙縒りは、蛇が何個もの卵を飲み込んだようで立てるとフラフラ曲がる
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この年になってようやくその原因が分かった
祖父は村役場の書記官をしていた
今のようにホッチケースなど無い時代である
そのため、書類を閉じるのに、紙縒りを毎日縒り上げたのであろう
注意力、集中力・根気の欠如したセッカチ性の私を何とかせねばと、根気良く教えたこと
が、今になって納得した
変な事を思い出す
私は完全なおじいちゃん子であった
平成22年1月2日