カエルの死刑
子供の頃、幼馴染の近所の同級生に感心するほど頭のいいエイジがいた
次男坊で左利き、そして勉強もできたが、遊びの頭は抜群に良かった
そのエイジは子供の目で分かるほど、左腕が曲がっていた
今思うに、私らが知る以前に骨折で曲がったのである
そのせいか、子供なのにひと癖もふた癖もあった
いつの間にか、「ガンニャ」のあだ名が付いていた
「ガンニャ」はガニ股から付けられたのであろう
何せ、卓球・スキー・野球・何でも上手かった
学校の勉強も良かった
元々町内でも旦那の家であった
性格も良く、遊びのリーダー格であった
彼の家の庭は広かった
庭の松の葉を集め、空き缶に詰める、そしてカエルを捕まえてきて、割り箸で十字架を造
る
そしてその十字架に、捕まえたカエルを縛りつけ、松の葉に火をつけるのである
カエルはたまったものではない
エイジは、そのカエルから油をとろうと、するのである
ようするにガマの油ならぬカエルの油なのである
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何十年前のカエルさんに向かって懺悔、黙祷である
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とにかく遊びを考案する天才であった
中学卒業以来何十年間会っていない
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どうしているのやら
振り返って私が認める遊びの天才であった
私はかくれんぼの天才
ホント
平成21年7月20日