妹の死

 

10年は経つ

妹の死は、HP54番この「地獄の黙示録」の真っ只中であった

臨終に立ち会う時間が全く無かった

急性肺炎であった

妹は寿司屋をしていた

年末のかきいれ時に無理をした

駆けつけたとき既に医者が手遅れを宣言していた

臨終に兄・姉・従兄弟、親族が駆けつけていたが、私はそれどころではなかった

ただ亡くなる前の日、妹が苦しんでいる時手を握り呼びかけた・・・・

ほんの一瞬荒い呼吸が止まって、幽かに意識を戻し、力ない目で私を見た

     ・・・・・・・・・・・・・・・・

ホンの一瞬であっ

私が駆けつけた事が分かったのである

苦しまず早く逝け・・と念じた

そして私は心の中で妹に別れを告げた

     ・・・・・・・・

そして私を守ってくれと妹に頼んだ

・・・・・・・・・・・・・・

妹は翌日亡くなった

・・・・・・・・・・・・

臨終に立ち会えなかった

しかし葬儀の後始末だけは最後の最後までしてきた

すまぬ・・・・それでも妹よ私を守ってくれと

・・・・・・・・・・・

そして「寶」本に突入し墓参りは8年後であった

墓前に「寶」本を添えて許しを請うた

今も妹が私の命を守ってくれたと思っている

当時悲しんでいる時間は一刻も無かった

危機的状況にあった

         平成19125