「寶」エピソードI

「大漢和辞典」

 

「大漢和辞典」は日本最大の漢和辞典である

中国研究家の総ての人が座右に置く辞典である

検索もいれて全13巻である

総括責任者(多くの諸先生が関わった)は東大教授であった諸橋轍次博士である

この大漢和なくして「寶」の解明執筆は不可能であった

無学な私は当初この辞典の漢字・一字・一字・一言・一言、総てを這うように潰していた

のである

漢字と中国史のアマゾン、いや漢大宇宙である

アホが3往復を果たした・・・・・・・・

ホントなのである

しかし私は漢字そのものが今一歩分からなかったのである

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私は混沌界で苦悶していたそんなアル真夜中、フト考えた

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いやフトではない

果てしない戦いの果てに大きな壁に突き当たったのである

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偉大な諸橋轍次博士を乗り越えなくては真の「寶」の実相は観えないと不遜にも思ったの

である

私は開かれた大漢和を閉じ、全13巻を目の前に整頓させた

この膨大な漢字を研究された諸橋先生がこの大漢和を完成したとき何を感じられたのか

どう?漢字を極められたのか

「大漢和辞典」は漢字の辞典である。

漢字とは何か????!!!!!!!!!!

その疑問が解けねば寶解明は永遠の彼方

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私は目の前に積み重ねた大漢和に向き合った

そして座禅を組み、瞑想した

真夜中の1時頃であったと記憶している

どれくらいの時が流れたのか分からない

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夜の沈黙を破って

半眼の目がカッと開いた

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分かったのである

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私は勝った勝った

諸橋先生に追いついたと、躍り上がらんばかりに興奮した

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その後「寶」解明は一気に進展したのである

その時、最早私の前に立ちふさがるものは無いと確信したのである

私は改めて先祖に深く感謝した

私は外の空気を吸いに家の前の川縁に出た

外気は冴え

冬空は満天の星であった

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その時の感動を、今も鮮明に覚えている

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平成19122