「寶」解明

その@序曲

「寶」と「瑠璃の壷」翁から命脈を託されたのである

「瑠璃の壷」は貴重なものではあるが観賞陶器である。

しかし「寶」には神秘的かつ摩訶不思議なものを印籠している

この「寶」が中国の、何時代の陶磁器か、またどの皇帝が製作を命じたのか、もし解明す

れば何億で売れる?!

バブルは崩壊しその荒波は津波となってこの氷見市にも襲いかかつて来るであろう

家族を守るため、次なる手を打ちたい!!!!!!!!

当初の動機はそれであった

学者のような一生のテーマとしている暇は無い

一年程で解明する

それが偽らざる気持ちであった

その頃私の周辺に、まず黒川先生が現れた

@★黒川先生は伏木の不動産業者であった

当初先生とは、この後紹介する荒勢先生との不動産の取引で知り合った

何度か事務所を訪れるうち、書棚の辞書や参考書を見て驚いた

万葉集の研究家であった、そして更に中国の深い研究を修めておいでる

荒勢先生に聞くと漢字の研究は大学の先生を凌駕するとの事であった

その黒川先生に私では解読不能な韻文を解いて戴いた

その時黒川先生は「これ以上の文言は無い、最高の韻文である」と言い放たれた

その言葉が後日私の耳から消える事は無かった

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A★荒勢先生は富山県刀剣協会会長で日本の財界にも刀剣を収めるお方である

  日本中の刀剣商で名の知らぬ人はいないと言われるお方である

  当然古美術関係に詳しい

  私は荒勢先生に「寶」を見せた

  過去に何度か陶磁器をお見せしたが、直に手にとった事はなかった

それが「寶」の時だけ、初めて手にされた

「寶」を手にし全く異世界の宝を手にしたかの如く、クルクル回転させながら魅入ってい

無言であったが、荒勢先生の心の動揺と混乱が私には分かった

!!!!!!!!!!!!!!!

私が思ったとおり、これは凄い陶磁器と心ひそかに思った

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B★大村三章堂

実は黒川先生より先にこの大村三章堂の御当主に解読を一度お願いしていた

御当主は全国篆刻家連名の幹事をなされる程の先生であった

しかし韻文が御当主の辞典に載っておらず、困惑されて棚上げになっていた

黒川先生に失礼であったが韻文の確認に念をいれるため、再度持ち込んだ

間違い無いとの事であった

韻文の文字は史上初めて発見された未発表の篆刻字体であった

三章堂の御当主は宝不動産の社長に紹介戴いたのであった

間違いはなかった

大村先生、そして氷見の田中金文堂にも陶磁器に文字は彫れるかとお聞きした

非常に困難であろう・・・当然一度も経験が無いとの事であった

        平成19117