★★★

「老子」自由訳

            新井満

 

老子の関係本を何冊読んだろうか

7、8冊は読んだ!

「寶」の初版本にも書いてあるが、最初に読んだのは30年程前である

一日7冊を日課に、ガンガン読んでいた頃である

そして中国の歴史書を片っ端から読んでいた時、老子と出合った

衝撃を受けた

当時はあらゆる面で、欲望の塊であった

また家族を喰わしてゆかねばならない、自分であった

その私に「老子」の書は欲望を捨てよ!とあった

足元が崩れていく思いで、強い衝撃を受けた

危険の書であった

私は当時、老子を忘れようとした

しかし私の心のどこかに、老子の幻影が生息していた

そして「寶」本で再び老子と真っ向向き合わねばならない羽目になった

「寶」の太極奇跡の韻文中央に刻まれた「太上老君」は道教の祖「老子」その人であった

家族を養い、子供を大学まで出してやりたい!そんな私に老子は一切の欲望を捨て無にな

れとあった!

そして、今度はこのHPのため、知を得んと時間を惜しんで読書をしている

その私に今度は「知」を捨てよと言う!

私はヨクヨク老子と対極の人生を歩んでいる

老子の説く無の思想は古今不滅の思想、哲学である

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胸に刻みつつ、まだ私に時間が欲しいと・・・天を仰ぐ

この書は、老子5000言の自由訳である

自分を筆頭に、現下の日本人必読の書である

平成1961