『隅田川』 永井荷風
文芸漫画シリーズ
本の題名と荷風の名前だけは知っていた
それ以外は何も知らなかった
この文芸漫画シリーズの略歴を見ていると谷崎潤一郎と荷風が長生きしている
他の人は現代から見ると皆さん早死にである
もっとも明治大正を考えると、二人が長生きで、他の人が普通なのであろう
荷風は36歳で離婚し40年間独身を通している
そして人生を「ままならぬもの」に思い、人間も行き着くとろまでゆくと、信頼関係が行
き詰まるものと考えたとある
恐らく余程懲りたのであろう、私には荷風の気持ち何となく(いや、相当)わかる
親友と言葉で簡単に言うが、真の友人は殆どいないに等しい
一定の限界があることも分かる
それでも、その限界線が小さいとガックリする
友の為に死ねるか・・・・・!
女性は99%ありえない
男でも少ない
男は単なる友のためではなく、そこに一人の人間としての、絶大な尊敬が無くては死ねな
い
友であり師でなくては死ねない
そして己を知るものの為となれば死ねる
死にも大義、死に値する理由が無くてはならない
生=時間 生=死 死=時間の消滅 即ち、消し去る時間以上に尊いもの、重きものの
ためなら、男は死を見つめる
末尾の荷風の人生を読んで、つまらぬことが頭をよぎった
平成19年4月13日