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陶器大事典                               加藤唐九郎

この事典も、私の座右の書なのである

暇な時、時々開く、楽しいのである

「大漢和辞典」と、「寶」本、そしてこの事典があれば退屈しないのである

著者は亡くなられたが日本を代表する陶工であった

永仁の壷事件で有名である

瀬戸の美術館に、先生の作品が何十点も並んでいた

特に好きだったのは黒楽の茶碗であった

豪快でそれでいて座りが良かった

大好きな東山魁夷が鑑真和上に奉げた日本の四季を描いた襖絵がある

その唐招提寺の襖絵を眺めながら、先生の黒楽でお茶を飲んだら最高であろう

叶わないが・・・そんな事を夢見ながらこの事典を時々開くのである

写真は多くないがそれでも楽しい

陶磁器の最高峰、未曾有の「寶」を発見した

私は陶磁器の歴史を塗り替えた

何時の日か、「寶」はこの「陶器大事典」の巻頭に掲げられるであろう

そんな事を夢見ながら、この事典を開くのである

                                            平成19213