★★★小説十八史略(五巻)
陳舜臣
平成14年度、代表作時代小説の短編集に陳先生の中国美女伝の中でこの本の所在を知っ
た
あとがきに楊貴妃は既に書いたとあった
「寶」本を書いたとき楊貴妃の本格的小説は見当たらなかった
楊貴妃に触れた短編、小誌を寄せ集め、楊貴妃の箇所を埋めた
図書館の係員に調べてもらい、奥の書庫から引っ張り出していただいた
私には可能な限り検証する役目を負っている
開元〜安史の乱あたりが書いてある、
他の小説はひとまず横に置く
「寶」本に関係ある書物なら、全て検証、点検なければならない
「寶」本の目次に陳先生の文献は載っていない筈である
平成18年10月6日、249頁、武后の登場「貞観の遺産」より早速読みかかる
余談だが「寶」本を書き終えたあと、陳舜臣先生宅に直接お電話をした事があった
記憶に間違いなければ、確か自宅は神戸の筈である
その時、奥様が電話口に出られた
先生は中国に取材に行っていて不在との事であった!
その後、雑事に忙殺され、先生の事は記憶に薄れていた
★384頁、短い記述であるが、私の「寶」本の主役、司馬承禎が
登場した
★則天武后の幕は下りた、しかしまだ私の「寶」本の根幹を突き崩す
史略は無い
★388頁冒頭「太極」の年号が載る(712年)さすがである
しかし、この太極の年号の歴史的意味がお分かり戴けるには酷である
全体的な流れを読んだ
私の「寶」本の根幹を覆す記述は無かった
落ち着いたら陳舜臣先生に「寶」本をお贈りしたい
それでも、私の能力では十八史略を読んでもこれだけの史実に沿った小説は書けない
たいしたものだと、仰ぎ見る
しかし期待していた楊貴妃の箇所は殆ど僅かであった
30年程前に司馬遷の史記を読んだあと十八史略を舐めた
“愚者は経験に学ぶ、賢者は歴史に学ぶ”である
よって本著は三ツ星マーク
平成18年10月9日