巨龍の胎動」毛沢東 ＶＳ�ｹ小平

　　　　　　　　　　　　　　　　　　（講談社）天児慧

衝撃的・中国最後の皇帝、「毛沢東の私生活」上下巻を読んだら、「巨龍の始動」

この本を読まない訳にはゆかなかった。

どちらもかなり根気を要した。

「巨龍の始動」に「毛沢東の私生活」の著書の内容と時間をすり合わせた所が何箇所

もあり、作者と見方の違いが多々あるものの、おおむね自分なりに理解しながら読み

進む事が出来た。

毛沢東ＶＳ�ｹ小平だからもう少し二人の人間像をえぐって、対比してほしかった。

天安門事件はあるものの、毛沢東より私は�ｹ小平が好きだ。

能面の向こうに、荒涼として果てしない大地の闇を見るような毛沢東より、数え切れ

ない苦難を乗り越え、言われなき自己批判にさらされ、地獄を這い、死と向き合い、

それでも失うことの無い人間性が感じられる�ｹ小平の方が個人的に親しみを感じる、

紀元前の思想家群に感嘆するが、今日の中国に懐疑と警戒を抱いても、親しみは感じ

られない。

中国５０００年の至宝「寶」解明書を著した私として、また一旦は中国政府に返還を

表明した私です。

不足分からないなりに、今後も中国から目を離すわけにはゆかない
　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　平成１７年２月５日